頸椎椎間板ヘルニアについて

頸椎椎間板ヘルニアについて

 

 頸椎椎間板ヘルニアはいろんな痛み方がある一方で、症状が出ない方もいます。痛みは首だけに限らず、肩や腕、手の先まで鋭い痛みを感じ、場合によっては神経の走行に痺れや、手の力が上手く使えなくなるなどの症状も出ます。頸椎椎間板ヘルニアは首の怪我などによって起こることもありますが、基本的にはこれといった理由もなく起こります。症状は基本的に片側に感じることが多く、痛みの場所はどこの頸椎で圧迫や障害を受けているかによって変わります。

 稀に両側に痺れや筋力の弱化が起こりますが、これは脊髄神経が影響を受けるためであり早急な医療機関の受診が必要なケースになります。

痛みの対処法

 

 頸椎椎間板ヘルニアによる痛みは早ければ数日で治まりますが、慢性化した場合は数ヶ月かかることもあります。また痛みは和らいだり強くなったりを繰り返し、特定の動きで悪化しやすいという特徴があります。椎間板の修復が完全でなくても、症状自体は4〜6ヶ月の間に回復します。

 痛み止めの薬、カイロプラクティックなどの徒手療法、ストレッチや痛みが出る動作を避けるなどの保存療法が、頸椎椎間板ヘルニアに対する中心的なアプローチ方法となります。ただし、症状が強く日常生活などが困難な場合などはその他の選択肢も考えられます。

頚椎椎間板ヘルニア 画像1

どのように頸椎椎間板ヘルニアは起こるのか

 

 頚椎には6つの椎間板があり、椎体にかかる荷重を吸収する役割を担っています。椎間板は二つの要素で構成されています。

 

・繊維輪:椎間板の外側を取り囲んでいるのが繊維輪という組織です。腰椎の繊維輪は頸椎椎間板とは違い、より厚く強力なコラーゲン繊維で構成されています。

 

・髄核:椎間板の中心部分には髄核と呼ばれる柔らかく弾力性を多く含んだ組織が存在します。70~90%は水分で構成されており、年齢とともに水分量の減少、組織の骨化が進み柔軟性が失われていきます。

 

 頚椎椎間板ヘルニアは外側に位置する繊維輪に亀裂が入ることで、内側の髄核が外側に膨隆、または椎間板の外に飛び出してしまうことを呼びます。髄核には痛みを引き起こすタンパク質が含まれているため、近くの神経根や脊髄神経に炎症を引き起こし痛みを引き起こします。

頚椎椎間板ヘルニアの症状

 

 頚椎椎間板ヘルニアにより神経根や脊髄神経が圧迫や障害を受けると、周囲の組織に炎症が起こり鋭い痛みを首や腕に感じるようになります。椎間板ヘルニアの症状の特徴は以下のようなものになります。

 

・首の痛み:痛みが出る場所は首の後ろ側か横側が基本で、痛みも軽いものから鋭く強いものまで様々です。

 

・放散痛:頚椎の神経が障害を受けることで肩や腕、手の先まで鋭い痛みを感じます。

 

・末梢神経の絞扼障害:神経が炎症を起こすことで肩や腕、手の先まで痺れや筋力の弱化が起こります。

 

・特定の動作で悪化する症状:頚椎椎間板ヘルニアはスポーツや日常の動作で動いた時の首の位置で痛みが強くなりやすいです。特に首を屈曲する動きでその傾向が強く出ます。

 

・首のこり感:痛みや炎症による影響で首の可動性が著しく減少します。

 

 椎間板ヘルニアが起こっている頚椎の部位は特に、痛みや神経障害が出やすい傾向にあります。

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神経根から見る頚椎椎間板の症状

 

 頚椎は全部で7個あり、それぞれの椎体の間に椎間板が存在します。仮に頚椎5〜6番間の椎間板ヘルニアが起こると、頚椎6番の神経根が障害を受けることになります。以下はそれぞれの神経根が障害を受けた時症状が出る場所になります。

 

・頚椎4〜5番間(頚椎5番の神経根):痛みや痺れが肩の周辺に出ます。また肩を支える筋肉の弱化も見られます。

 

・頚椎5〜6番間(頚椎6番の神経根):痛みや痺れが腕の親指側に出ます。また上腕二頭筋や手首の伸筋群に筋肉の弱化が見られます。

 

・頚椎6〜7番間(頚椎7番の神経根):痛みや痺れが手のひらや中指に出ます。また上腕三頭筋や指の伸筋群に筋力の弱化が見られます。

 

・頚椎7〜胸椎1番間(頚椎8番の神経根):痛みや痺れが腕の小指側に出ます。また指の屈筋群に筋力の弱化が見られます。

 

 上記で書いたものは典型的な症状のパターンですので、必ずしも一致するわけではありません。人によっては神経の出どころが若干異なることもあるので、あくまでも目安として考えてください。

頚椎椎間板ヘルニアの原因

 

 椎間板ヘルニアを正確に判断することができれば、痛みの根本的な原因がどこの神経の影響によるものかが分かり、それを元により良い施術計画を立てることができます。頚椎椎間板ヘルニアの主な原因は以下のものが挙げられます。

 

・頚椎椎間板変性によるもの:加齢に伴い椎間板の水分量が減ることで柔軟性と耐久性が減少し、椎間板に亀裂が入りやすくなることでヘルニアを発症しやすくなります。

 

・外傷:椎間板に強い負荷が加わることで亀裂を起こしやすくなり、椎間板ヘルニアになりやすくなります。

頚椎椎間板ヘルニアの種類

 

 頚椎椎間板ヘルニア主に次の2種類に分けることができます。

 

・膨隆・突出型:椎間板内部の髄核が亀裂の入った繊維輪に流れますが、完全に椎間板の外には出ていない状態のことを指します。この場合は近くにある神経根や脊髄神経を圧迫することで痛みや痺れを引き起こしますが、髄核は椎間板内に止まっているため炎症を起こすタンパク質も直接神経に触れることはありません。

 

・脱出・遊離型:椎間板内部の髄核が繊維輪から完全に飛び出した状態を指します。その結果髄核に含まれる炎症性のタンパク質が神経根や脊髄神経に触れるため、強い痛みや痺れを引き起こす傾向が強くなります。

 

 膨隆・突出型は月日が経つにつれて脱出・遊離型に移行することもあります。ただし椎間板がどちらの状態であっても強い痛みが出ることもあれば、症状がないこともあります。

頚椎椎間板ヘルニアに対するカイロプラクティックの考え方

 

 痛み止めの薬や注射などを使用しないカイロプラクティックケでは、頚椎椎間板ヘルニアと診断された人たちにとって好まれる施術方法の一つであると言えます。実際頚椎椎間板ヘルニアと診断されても痛みの原因がヘルニアによるものではないというケースは多々あります。また、画像診断の技術が向上した現在では症状の出ない「無症状のヘルニア」があることもわかっています。

 

 施術の進め方としては症状が出るまでの経緯や、痛みの場所などを最初にカウンセリングしていきます。その後、整形学検査や神経学検査などで痛みや神経が障害されている場所の確認や、背骨全体の動きを確認していきます。カイロプラクティック評価を元に施術を進めていきますが、万が一この時点でカイロプラクティック適応外となるような所見が見られた場合は、他の医療機関をご紹介するケースもあります。

 

 施術ではカイロプラクティックの特徴である身体全体の状態を確認しつつ、必要な箇所に調整(アジャストメント)や筋肉の緩和操作を行っていきます。また、施術後の状態の変化を確認しながら今後の治療計画をお伝えすると共に、自宅で行えるエクササイズなどのやり方を紹介します。