股関節の症例報告

歩行時の股関節の痛み 70代女性

 

2022,1,19

 

*ご来院時の様子

 

 5年ほど前から長時間歩くと、右の股関節前面が痛くなることが時々あった。最近では少し歩いただけでも気になるようになり、右足の後ろ側に痺れを感じることもあり。10年前に強い腰痛があり、生活困難だったため腰椎L4~L5間のヘルニアと診断され手術の既往がある。運動は週に1度だけプールにて歩く運動を行っている。

 

*カイロプラクティック評価

 

 可動検査にて前後屈は制限強く、歩行を確認すると右の股関節を庇っているせいで、左側に重心が崩れやすくなっていた。また、仰向けでの股関節の動きでは右の屈曲運動に著しい可動制限が見られた。筋力検査にて右母指の屈筋の弱化や知覚検査で右足外側に感覚の鈍さが診られた。

検査結果を踏まえ、骨盤の正常な動きを妨げてしまっている腰椎の動きの改善とともに、上半身のバランスを安定させ、股関節に負荷を減らせるように施術プランを計画した。

 

*マネジメント

 

 初回施術後は股関節の痛みは和らぐことができた。しかし、痺れは引き続き続いているような状況であったため続けてご来院することを進めた。

3回目が終了した時には、今まで、10分ぐらいしか歩けなかったのが、30分ぐらい歩いても以前ほど痛みなどなく歩けるようになったと喜ばれていた。痺れの方も感じてはいるが、以前よりは感じづらくなったとのこと。定期的なメンテナンスケアが重要であることを伝え、今後は2~3週間に一度来院する予定である。

 

*担当者コメント

 

 今回のケースでは、患者様が手術されていることやご高齢であることを考えた時、痛みを取り除くと言うよりは、少しでも生活の質が上がるように計画を立てて施術を行うことが重要であり、患者様にも最初の時点でそれを説明し同意の上でマネジメントを行う必要がありました。幸いにも患者様の回復力は私が考えたよりも良い意味で高く、数回の施術で生活の質を上げることに成功しました。今後は間隔を空けながら施術をし、メンテナンスとともに、ご自身でも必要な運動をする必要があることを理解していただくことも必要でした。手術をしても必ず痛みが治るとは限りません。もし同じような症状でお困りなら、一度ご相談ください。