人間の細胞とは

人間の細胞とは

 

 人間は多細胞生物ですが、1人の人間がどのくらいの細胞によって作られているか知っていますか?答えは約60兆個であり、その中で同じ働きをする細胞同士が集まり筋肉などの組織作り、その組織が集まることで内臓などの器官が形成され、最終的に1人の個体が形成されています。

 

 今回のブログでは人間の細胞をテーマに、細胞を構成する要素である細胞膜、核、細胞質について説明したいと思います。

細胞の構造について

 

 人間の細胞は基本的に、細胞膜、細胞質、核より構成されています。そして、細胞質の中には小胞体やゴルジ装置、ミトコンドリア、リソソーム中心体などの細胞小器官が存在します。

 

 また細胞を構成する主な分子は、水やタンパク質、脂質、糖質、核酸などであり、これらの分子を構成する主な原子は、水素(H)酸素(O)炭素(C)窒素(N)などになります。

細胞膜の図

細胞膜について

 

 細胞膜はタンパク質とリン脂質により構成されています。リン脂質分子は外側が水に溶けやすい親水性で、内側が水に溶けづらい疎水性で作られているため、資質に溶けやすい物質は通りやすくなっています。また細胞膜は半透性の性質があり、水や酸素などは通りやすい一方で、タンパク質のような大きな分子は通りづらい構造になっています。

 

 このように細胞膜は必要な物質は細胞内に取り入れ、必要ないものは入れない構造なっているのです。

核について

 

 核は球形をしており、その周りを核膜で覆われています。核で重要なことは人間の遺伝情報を持ったDNAが存在していることです。そしてDNAで重要とされる役割は、細胞の増殖とタンパク質の合成を行うことになります。核にあるDNAは通常二重のらせん構造になっていますが、らせん構造が解けてそこにmRNA(メッセンジャーRNA)が合成され塩基配列を記憶します。DNAを記憶したmRNAは核から細胞質に移動し、粗面小胞体と言われる場所でDNAに必要なタンパク質を合成することを行なっています。

細胞質について

 

 細胞質は内は液状の気質で満たされており、その中には細胞小器官や電解質、酵素などが存在しています。以下が細胞質内に存在するものです。

 

・ミトコンドリア:内外2枚の膜からなる棒状の小器官で、内膜にはクリステと呼ばれるひだがあります。ミトコンドリアの働きで重要なことは、細胞のエネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)を合成することであり、それにより人間はエネルギーを得て活動することが出来ます。

 

・小胞体とリボソーム:小胞体は網状に広がっている小器官であり、表面にリボソームという顆粒が並ぶ粗面小胞体と、これを持たない滑面小胞体の二つがあります。リボソームはタンパク質合成に必要な要素で、先ほどのmRNAからの情報で必要なタンパク質を合成する場所でもあります。

 

・ゴルジ装置:ゴルジ装置は粗面小胞体から出るタンパク質を受け取って、濃縮したりするいわば仕上げ作業を行っています。

 

・リソソーム:リソソームの主な働きは、加水分解酵素を用い不要な物質を分解処理することです。

 

・中心体:一対の円筒状の小体より構成され、細胞分裂の手助けを行なっています。