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恥骨結合炎について

恥骨結合炎とは?

 

 恥骨結合炎とは左右の恥骨によって構成される恥骨結合が、正常な可動域を超えて動くことで痛みが出ることです。通常恥骨は靭帯などの強い結合組織によって動きが制御されていますが、妊娠中に伴うホルモンの変化などによって、恥骨結合が通常より緩みやすくなるため痛みが出ます。ただし、出産が終わると痛みが和らいでいくことが多い症状でもあります。

どんな人がなりやすいのか?

 

 恥骨結合炎は妊娠中に多いと言われていますが、産後も痛みを放置した状態でいると悪化するケースもあります。また、恥骨結合炎は骨盤に対しても影響があるため、仙腸関節の痛みにも繋がります。

 

 産前・産後以外ではスポーツ障害の一つとしても有名です。特に恥骨周辺には内転筋などの筋肉が付着しているため、使い過ぎが原因による炎症などを起こしやすくなります。

どのように起こるのか?

 

 妊娠中はリラキシンと呼ばれるホルモンの作用によって、恥骨結合を安定させる靭帯などが緩みやすくなります。リラキシンは妊娠10周目ぐらいから体内で作られ、出産時の産道を確保するために徐々に骨盤を広げやすくして行きます。

症状

 

 恥骨結合炎の症状は以下のようなものがあります。

 

・骨盤周辺の不快感

・突然おこる骨盤周囲の鋭い痛み

・持続痛とともに、下腹部や下肢に出る関連痛

 

 次のような動作を行うと痛みが増悪します。

 

・歩行

・階段の登り下り

・前屈み

・寝返り

・車の乗り降り

・椅子やベッドから立ち上がる時

 

 痛み以外の症状は以下のようなものがあります。

 

・排便・排尿が難しくなる

・理由もなく疲れやすくなる

・動いた時股関節周辺がコキっと音が出る

評価方法

 

 恥骨結合炎の評価は行うために次のようなことを確認して行きます。

カウンセリング

 

・現在妊娠中かどうか

・出産経験の有無

・過去に股関節周辺の怪我をしたことがあるか。または現在怪我をしているかどうか

身体検査

 

・動作時に痛みがないかどうか

・筋力検査にて弱化している筋肉がないか

・痛みが下肢などに広がっていないか

 

 検査結果を踏まえ、状況によっては病院などでの画像検査をしてもらうように伝える場合もあります。

カイロプラクティックケア

 病院などで伝えられる対処法は、NSAIDsの痛み止めや、動きやすい靴などの使用、妊娠中であれば妊婦用のベルトなどが勧められます。

 

 当院のカイロプラクティックケアではまず、恥骨結合炎に対する施術を行い症状の早期回復を目指します。炎症が強いケースではアイシングにて炎症を抑えることを中心に施術可能な場所に対するケアを行っていきます。

 

 炎症がない場合には、脊柱全体へアプローチを中心に行い、恥骨に負担がかからないような身体を目指します。また家での簡単なエクササイズや、日常で気をつける点なども伝えます。

 

 カイロプラクティックケアの強みは、患部の痛みだけに着目するのではなく、脊柱全体のバランスを整え自然治癒力を向上させることにあります。恥骨結合炎でお悩みの方は一度ご相談ください。