胸椎部について

胸椎部とは?

 

 胸椎部は現代の生活において可動性の低下が起きやすく、猫背などの不良姿勢の原因となります。また、肋骨とともに胸郭を形成し肺や心臓などの内臓器を守る働きがあります。そこで今回は胸椎部についての特徴や役割を説明します。

胸骨

 

 胸骨は胸郭の前方に位置し、胸骨柄、胸骨体、剣状突起の3つの部分からなります。胸骨体は両側で肋軟骨と関節を成し、胸骨柄もまた両側で鎖骨と関節を成します。

 

 臨床上では胸骨全体を触診し、圧痛もしくは以上がないかを調べます。また、肋骨と胸鎖関節も触診し、圧痛や疼痛などがないかを調べます。圧痛や痛みがある場合は骨折や捻挫の可能性が考えられます。

肋骨、肋軟骨、肋間隙

 

 胸郭の前部の肋骨は、肋軟骨を介して胸骨に繋がります。肋軟骨は肋骨と連携し、肋骨肋軟骨連結を形成します。

 

 臨床上は胸骨の外側から腋窩にかけて、肋骨と連なった個々の軟骨、肋骨を触診します。痛みや炎症がある場合は骨折や肋間神経炎などが考えられます。

肩甲骨

 

 胸郭の後面では肩甲骨が肋骨の後部と関節を作り、関節窩と上腕骨頭とも繋がります。前面では肩峰が鎖骨と関節を作り肩鎖関節を成します。

 

 臨床上は肩甲骨の内側縁から初めて、3つの辺縁全てを触診し、圧痛があるかを調べます。

背筋群

 

 胸郭部の背筋群は浅層、中間層、深層の3つのそうからなります。浅層には僧帽筋、広背筋、肩甲挙筋、菱形筋が含まれます。中間層は上・下後鋸筋になります。深層の筋は姿勢を保持し、脊柱を動かす真の背筋と言えます。

 

 浅層は筋膜上で指を横に動かすことで触診し、圧痛や異常な緊張がないかを確認します。深層は棘突起の付近を直接指先で触診し、異常な緊張や圧痛があるかを注意します。