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慢性痛が長く続くのは何故なのか?

慢性痛が長く続くのは何故なのか?

 

 強い慢性腰痛を長年抱えている人は、それがどのくらい人生に悪い影響を及ぼすかを知っています。何故なら慢性腰痛があることで日常生活や、簡単な運動を楽しく行えないためです。

 

 アメリカの調査では成人の11〜40%の人が慢性痛を抱えてると言われているほど、多くの人が悩んでいるにもかかわらず、慢性痛に関してはよく理解されていないのが現状です。専門家はかつて痛みは怪我や病気などの影響だと信じていたため、原因を治療することができれば、痛みは感じなくなると考えていました。

 

 もし、根本的な原因が見つからない場合は選択肢がほとんどなく、ひどいケースだと「頭で考えるから痛みが起こっている」と言われることもありました。

 

 幸いなことに、ここ数年で徐々に慢性痛に対する世間の注目が集まり始め研究も進んでいます。

痛みはどのように脳に影響を与えるのか?

 

 痛みの専門家たちは、神経系が原因ではなく、慢性痛そのものが問題であると考えるようになりました。最新のニューロイメージングを用い慢性痛を分析すると、急性痛とは違い慢性痛の場合脳に認知力や、うつ病を引き起こしやすくなる構造的な変化がみられることが分かっています。さらに、薬の服用やうつ病などを持っている人は、中枢神経にも影響があることも分かっています。

 

痛みの特定は難しい

 

 画像診断を使えば骨折の有無は分かり、炎症があれば血液検査をすれば分かりますが、慢性痛を確認するための検査は残念ながら存在しません。そのため慢性痛を抱える多くの人はドクターショッピングをし、たくさんの検査を行いますが、結果的に原因は分からないことがほとんどです。

 

 さらに人によって痛みの表現は様々であり、例え同じような怪我をしたとしても、ある人には強い痛みみ感じることもあれば、別の人はそんなに痛みを感じない人もいます。

 

 慢性痛がある人は痛み抱えているにもかかわらず、「大袈裟ではないか」「仮病ではないか」と思われることもよく起こります。そのため、その痛みを親や友達、お医者さんに分かってもらわなければならず、それがうまく伝えられない場合なんでもないふりをする人もいます。