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変形性股関節症について

変形性股関節症とは

 

 変形性股関節症になってしまうと、日常動作全てに影響を及ぼします。股関節の関節可動域は減少し、それに伴って痛みが股関節に限らず臀部や腰、足などにも感じるようになります。その状態を放置し症状が時間の経過とともに悪化すると、股関節の痛みが原因で日常生活を行うことも困難にしていきます。

 

 変形性股関節症で一番多く見られるのは骨の関節炎です。股関節事態に炎症を起こすリウマチなどの自己免疫疾患や、痛風などでも似たような症状が出ることはありますが、非常に稀なケースです。画像上良く見られる兆候は以下の2点です。

 

・股関節の骨頭を包む軟骨組織の変性

・骨棘の形成

 

 股関節は手と膝に次ぐ3番目に変形性関節症が起こりやすい場所だと言われています。専門家でも変形性股関節症が起こる明確な理由はわかっていませんが、いくつかのリスク要因から将来的に発症する可能性を予測することができます。

 

 残念ながら変形性股関節症をよくする方法はわかっていません。なので施術では主にどのように症状を予防し、今ある機能をできるだけ長く維持するかを目標に行われます。

変形性股関節症

股関節の解剖学

 

 股関節は大腿骨の骨頭部分が骨盤の寛骨臼に合わさることで形成され、球関節と呼ばれる動きの幅が多い関節の形状をしている。その関節の形状のおかげで足を前後左右、回旋などの動きを行うことができます。 この二つを結合する部分には軟骨組織があり、重さを和らげる役割と柔軟性を作るために存在している。

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どのように変形性股関節症は起こるのか?

 

 変形性股関節症は以下のような要因で起こります。

 

・クッションの役割をしている軟骨組織がすり減ることで、股関節と大腿骨が直接ぶつかるようになり痛みを引き起こします。

 

・軟骨組織がすり減った部分に骨棘が形成されることで、より骨と骨同士の摩擦が生まれ痛みを引き起こします。

 

・軟骨組織の下にある骨が直接当たることで損傷を負い痛みが出ます。

 

・股関節を取り囲む滑膜が炎症を受けることで肥厚し痛みを引き起こします。

 

 上記の理由に加えて、股関節周囲の腱や靭帯、滑液包などの組織にも過度のストレスや摩擦が起こり、痛みを引き起こします。

変形性股関節症の症状

 

 重だるいや鋭い痛みなど変形性股関節症の痛み方はさまざまですが、基本的には股関節周辺に感じます。また症状がある場合、早期に対応することは痛みを抑え、その後の予後にも大きく関わります。

 

 痛みの訴えが一番多い場所は股関節の前面で、人により太もも前面にまで感じる人もいます。また、時折痛み臀部や太ももの裏側にも感じる人もいます。痛みの強さが強くなるのは以下のような時です。

 

・座っている状態から立ち上がる時

・立っている時、歩いている時など股関節に負担がかかる時

・激しいスポーツなどをした時

 

 症状が軽いうちは時折痛みを感じる程度ですが、時間が経つにつれて状態が悪化していくと、痛みの頻度が多くなり可動性の減少や、睡眠時の不快感なども感じるようになります。

カイロプラクティックケア

変形性股関節症のその他の症状

 

 痛みに加えて、変形性股関節症の人は以下のような症状も訴えることが多くあります。

 

・股関節の硬さ:クッションの役割をしている軟骨がすり減ることで、関節に炎症が起こり腫れるため股関節の硬さが出やすくなります。特に起床時や長時間座った後などに感じやすくなります。

 

・可動性の減少:正常な状態の時は股関節がどの方向にも自由に動くことができますが、変形性股関節症の影響により足を開いたり、後ろに足を振る動作が難しくなります。

 

・関節から音が鳴る:股関節を動かす度に、音がなるようになります。

 

・股関節の機能低下:変形性股関節症により痛みが強くなると、歩くなどの日常動作が痛みのため上手にできなくなったり、靴下やズボンを履くなどの動作も身体を曲げることが難しく困難になります。

 

・休んでいると痛くない:症状が比較的軽い場合、横になったりして休んでいるときは症状が和らぐ場合が多いです。

 

 変形性股関節症は基本的に徐々に進行していきます。もし、股関節が急に強い痛みに襲われた場合外傷によるものであったり、別の原因が隠されている可能性が高くなります。また、股関節周辺の皮膚が腫れ上がるなどの強い炎症が見られる場合は、早急に医療機関の受診が必要となります。

変形性股関節症のリスク要因

 

 専門家の中では一生の間に約25%の人が変形性股関節症になるリスクがあるといっています。症状を発症してしまう人を見たときに、以下に述べるリスク要因に少なくとも一つ以上当てはまる人がほとんどです。

 

・股関節の異常:人によっては股関節の構造自体が生まれつき良くない方もいます。そのようなケースでは将来的に変形性股関節症を発症するリスクが高くなります。

 

・怪我の既往がある:スポーツなどで股関節の怪我を経験したことがある人などは、将来的に発症するリスクが高くなります。

 

・加齢:歳を取るにつれて一般的に股関節の軟骨はすり減り、可動性も減少するため変形性股関節症のリスクが上がります。