足底筋膜炎とは?
足底筋膜炎はスポーツ選手などの、日常的に強い負荷の運動を行っている人によく起こり、運動中に強い踵の痛みを感じるのが特徴です。またその痛みは放置したままにしておくと、痛みの強さや頻度が上がり日常生活にも影響を出すほどになることもあります。
ランニングをしている人の怪我で3番目に多いのが足底筋膜炎と言われるほど、比較的多くの方が経験しやすい症状であるので、今回は足底筋膜炎の症状や施術の仕方などをお伝えしたいと思います。
足底筋膜とは何か?
足底筋膜とは足の側面にある繊維性の組織であり、踵の骨から始まりそれぞれの中足骨に付着しています。足底筋膜は足底にあるアーチの形成と、足関節の安定性と可動性に大きな役割を担っています。足が動く時足底筋膜は次のようになります。
・足に荷重がかかっていない時は、足関節は中間位を取り足底筋膜も縮んだ状態です。
・立ち上がり荷重がかかると、足底筋膜は伸ばされます。
・歩いたり、走ったりした時などは、地面に足が着いた時足底筋膜は伸ばされ、足が浮いた時に伸ばされた分の反発力が生まれ、地面を蹴ることを助けてくれます。
足底のアーチが少ないと地面を蹴る反発力がなくなり、足を痛める原因となります。
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どのようにして痛みを引き起こすのか?
足を交互に踏み出す時に足底筋膜が伸びる、縮むという動作を繰り返しているため、毎日歩いているだけでもその動作を何千回もり返しています。
その結果、足底筋膜が微小断裂や炎症を起こすことで足底筋膜炎という状態になります。微小断裂や炎症は足底筋膜が付着する踵周辺で起こりやすいため、踵に痛みを感じるようになります。
以下のように炎症と微小断裂は同時に起こるケースが多くあります。
・慢性的な炎症は足底筋膜の支える力を弱くすることで、微小断裂を起こしやすくします。
・慢性的に微小断裂を起こしていると、炎症が回復しづらくなります。
また、足底筋膜炎は起床時に痛みを感じやすいのですが、それは横になっている時は足底筋膜が縮んだ状態になっており、起床し動き出すと荷重と共に、足底筋膜にストレッチが掛かるため痛みが出やすくなります。
足底筋膜炎の症状
足底筋膜炎の症状は通常少しずつ強くなっていきます。例えばジョギングに出かけ最初のうちは軽い痛みを感じる程度だったものが、数日後には徐々に痛みが強くなっているという場合が多いです。足底筋膜炎の痛みの特徴は以下のようなものになります。
・踵に感じる鋭い痛み:足底筋膜が付着する踵部分に鋭い痛みを感じます。
・休息後の動きだし:足に負担が掛からない時足底筋膜は縮んでいます。それが立ち上がり足に荷重がかかることで、足底筋膜が引き伸ばされ、痛みを感じます。
・長時間の運動後:運動により足底筋膜にストレッチが掛かることで、支持性が落ち痛みが出ます。
・踵を押圧すると痛みがあります。
・足首を背屈した時に痛みが強くなる:足首を背屈すると、足底筋膜やアキレス腱が伸ばされるため、痛みが強くなります。
・足に焼けるような痛みがある:神経が影響を受けることにより、人によっては足に焼けるような痛みがあります。
直近での生活習慣の変化が、足底筋膜炎の原因になることはよくあります。例えば新しい靴を履き始めたや、トレーニングの負荷を上げたなどが挙げられます。
リスク要因
専門家たちは足底筋膜炎の原因は長時間のストレスにより炎症と微小断裂をすることであると言っています。このような怪我をするリスクが上がる要因として以下のものが考えられます。
・回内足(扁平足):地面に足がついた時、荷重によって回内側に足首が曲がりますが、もともと回内足が強くある人は足底のアーチが低いため、足底筋膜へ過度の負担がかかりやすく、痛めるリスクが上がります。
・ハイアーチ(甲高):足のアーチが高すぎることで、踵や足先への負担が強くなり、足底筋膜炎になりやすくなります。
・指で掴む力が弱い:足底にある足の指を曲げる屈筋群の力が弱いと、足底筋膜への負担が強くなり痛めやすくなります。
・ランニング:長時間走ることで足底筋膜に負荷がかかり、炎症や微小断裂を起こしやすくなります。
・長時間の立位姿勢:立っているときは足底筋膜に荷重がかかりやすく、それが長時間に及ぶ場合痛みを引き起こしやすくなります。
・運動不足:運動をしないことで足底筋膜が縮まった状態で固まり柔軟性が失われます。適度な運動は足底筋膜の柔軟性を保つ上で重要となります。
・アキレス腱の固さ:アキレス腱が固い人は足首の可動性が失われやすく、結果的に足底筋膜炎になりやすい傾向があります。
専門家の間では長年足底筋膜炎は、踵骨棘が原因で起こると考えられていましたが、現在では足底筋膜炎が悪化することで、踵骨棘が起こると考えられています。
足底筋膜炎の評価
踵の痛みの原因で一番多いのが足底筋膜炎のため、よく他の症状と間違えて評価されることが多くあります。専門家は踵の骨折や神経の問題、アキレス腱炎などを可能性を除外した上で、足底筋膜炎の状態を評価していくことが求められます。 足底筋膜炎の評価を行う際には以下のようなことを行います。
・カウンセリング:痛みが出た時の状況や痛み方、日常生活を行う上でどのような支障があるかなどをカウンセリングを行い、足底筋膜炎の可能性があるのかを評価していきます。
・身体検査:足首の動きや足底部分を触り痛みがないかの確認や、立位・歩行時に足首が回内足やハイアーチになっていないか見ていきます。
痛みが強くあり、歩行も難しい場合は、先に医療機関での画像診断を行ってもらい、他の病態が隠されていないかを確認してから、次のステップに進むこともあります。
足底筋膜炎に対するカイロプラクティックケア
カイロプラクティックケアで足底筋膜炎の施術を行う際には、個々の状況に合わせて行うことが重要となります。足関節全体の動きや足底のアーチの確認を行い、カウンセリングや身体検査の結果を含め、カイロプラクティックケアが適応であるかを確認します。施術で重要になるのは、足関節のモビリゼーションと脊柱に対する調整(アジャストメント)、足首のアーチを支える筋肉に加え、膝や股関節周辺の過緊張している筋肉に対してもアプローチしていきます。
痛みの軽減と同時にカイロプラクティックケアを通して、脊柱を含む足首以外の機能を正常に戻すことで、足首に掛かる負担の軽減が出来るため、回復までの期間の短縮が見込めます。足底筋膜炎でお悩みの方は一度ご相談ください。
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