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自分でカイロプラクターのような矯正はできるのか?

自分で矯正をすることは安全なのか?

 

 成人の約80%の人は腰痛の経験があったり、慢性腰痛があると言われており、当院にも多くの腰痛を抱えた患者さんが、カイロプラクティックケアを求めご来院されます。仮に腰痛がありカイロプラクティックケアを受けようと思っても、心理的や経済的理由を背景にカイロプラクティックケアを受けられない場合、自分で矯正(アジャストメント)はできるのでしょうか?

 

 snsが発達している現在では多くの矯正をする動画などが上がっており、特に背骨をぼきぼきしている動画を見て、自分でも腰を捻ったりすればできるんじゃないかと感じている人もいるかもしれません。もしそれが自分でできるとなってしまうと、4200時間以上の教育を受けている国際的基準のカイロプラクターは必要なくなってしまいます。つまり自分でぼきぼきする事と、カイロプラクターによる矯正(アジャストメント)は大きな違いがあることを意味しています。

 

 そこで最初に自分でぼきぼきと目的もなく、関節を鳴らしてしまうことの危険性について話していきたいと思います。

背骨は複雑な構造で作られている。

 

 背骨自体は強固な作りをしていますが、背骨に守られるように存在する「脊髄神経」はとても繊細な組織です。脊髄神経は脳と常に連絡を取り合い、身体の感覚や運動機能、自律神経の働きを司っています。脳から出る指令は背骨の中にある脊髄神経を通り、内蔵器や筋肉などの組織に命令を送っています。この背骨と脊髄神経の関係がうまく働くからこそ、身体は健康を保つことができます。

 

 背骨は24個の脊椎と仙骨、尾骨によって構成されています。それぞれの椎体間には椎間板が存在し、衝撃からのクッションの役割をすることで背骨を守っています。また、脊椎の後面には椎間関節が存在し、背骨の可動性を作っています。

 

 触覚や痛覚などの感覚神経や、筋肉を動かすための運動神経は脳と脊髄神経を通ってお互いに伝達をしています。腰痛はこの神経伝達が神経根と呼ばれる脊髄神経の出口で、圧迫や障害を受けることで起こります。脳と常に行われている神経の伝達が、上手く行かなくなることで可動制限や痺れの症状が現れます。

 

 カイロプラクティックケアの適応範囲は非常に広く、腰痛、肩こり、頭痛などの筋骨格系だけでなく、自律神経の乱れや時には免疫力の向上も期待することができます。その理由としては多くの症状の原因が、背骨から出る神経の働きが落ちることで起こるためであり、それを矯正(アジャストメント)を用い改善させるカイロプラクティックケアが有効的であるためです。

どうして自分で背骨を鳴らしてはいけないのか?

 

 カイロプラクティックのアジャストメントを受けた時に、背骨が「ぽき」と鳴ることがあるため、「自分でも同じように音を鳴らせば良くなるのでは」と感じる人も多くいますが、カイロプラクターが適切な関節に必要最小限の力で行う矯正と、自身で鳴らすことを目的に首や腰などを無理に捻るような動きは、似て非なるものであり、自分骨を鳴らすことは身体にとっても有害でしかありません。

 

 そういった観点から施術を行う人は国際基準を満たし、臨床経験を積んでいることが行うことで初めて矯正(アジャストメント)の効果が期待できます。また、生理学や解剖学を含む西洋医学は日々進化していることで、カイロプラクターも矯正だけではなく、筋肉に対するアプローチや物理療法の使用など、個々の身体に合わせて矯正を行うのか、それとも別の方法がより適切なのかも含め判断しており、ただ骨を鳴らすことに意味がないことを理科しています。

 

 

自分で背骨を鳴らすことのリスク

 

 以下のことは自分で背骨を鳴らすことで起こる身体への悪影響です。

 

・神経根の圧迫や障害による感覚の鈍磨や、可動域の減少

・腰を無理に捻ったときなどに、筋肉が微小断裂することによる柔軟性や可動性の減少

・靭帯が何度も引っ張られることで、関節の安定性が失われる

背骨が鳴るメカニズムとは?

 

 矯正(アジャストメント)を行ったときに「ポキッ」と音が鳴るのは、矯正によって椎間関節や椎看板への圧力が解放されたためです。ただし音を鳴らすためだけに自分でやってしまうと、過度に捻ったりするため、周囲の筋肉や靭帯に負荷がかかり損傷しやすくなります。

 

 関節から音が鳴っているのは、関節包内の窒素ガスが圧の変化で「ポキッ」という音を出しています。脊椎の後方には椎間関節があり、関節包によって守られています。その中には滑液と呼ばれる体液が入っており、関節がスムーズに動くことを助けています。身体を捻ったり伸ばした時に関節包内が陰圧になり、空気が抜けることで音が出ており、これを「キャビテーション」と呼びます。

 

 また関節の表面を覆う軟骨が摩耗していくと、関節から音が鳴ることがありますが、これはガスが抜ける音ではなく、骨自体が擦れることで発生しています。専門家はこれらの音が鳴る要因として、不良姿勢や同じ動作の繰り返しにより、関節内にガスが溜まりやすくなることで、それがストレッチなどをした時に「ポキッ」っと鳴ると考えています。

背骨が鳴った後から痛みが強くなったのはなぜ?

 

 腰や首を癖で鳴らしてしまう人は、鳴らすと少し楽になるため繰り返してしまいます。しかし、それを続けていると急に強い痛みに襲われるケースがよくあります。痛みが出てししまう原因は、同じ箇所の関節が何度も引き伸ばされることで、周りの組織が少しずつ損傷を起こしていくことが原因です。その痛みを無視したままにしていると、最悪の場合痺れなどを引き起こすことがあります。

アジャストメントVS自分で骨を鳴らす

 

 自分で骨を鳴らす場合、「鳴らす」ということだけが目的となっているため、実際に背骨や周りの組織に何が起こっているのか分かりません。カイロプラクターが矯正(アジャストメント)を行う時は、身体全体の検査を行った上で、どこに、どのように、どのくらいの力で矯正を行うかを考えています。また、矯正をすることでのリスクを考慮に入れながら行わなければいけません。矯正を行ってはいけない場合などは、適切な医療機関での受診や画像診断を勧める場合もあります。

 

 鳴らすことだけではなく、力の具合やリスクマネージメントも含めて行ったあとで、初めてアジャストメントは成り立つのです。

終わりに

 

 多くの人が自分で背骨を鳴らすことが癖になっていますが、それは時として危険であり症状を悪化させる原因になります。もし、自分で背骨を鳴らすことと、カイロプラクティックによるアジャストメントが、どのように違うのかを知りたいという方がいれば、一度当院をご来院ください。