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肩関節インピンジメント症候群

肩関節インピンジメント症候群とは

 

 肩の問題を抱えている方は非常に多くいますが、その中でも肩関節のインピンジメントが原因によるケースは非常に多く見られます。肩関節インピンジメントになると、上にある物を取る動作が難しくなったり、肩関節可動性の減少、睡眠時の痛みなどが特徴です。

 

 肩関節インピンジメントは別名 肩峰下インピンジメントと呼ばれますが、それは肩峰下周辺に存在する筋肉や腱などの軟部組織が、肩関節を動かした時に骨や靭帯などに挟まれて痛みが出るためです。特に肩峰下には二頭筋腱やローテーターカフ、いくつかの靭帯や滑液包など構造が複雑になっていることで、腕を上げた時にそれらの組織がインピンジメント(挟み込み)されやすくなっています。

肩関節インピンジメントはどのように起こるのか?

 

 肩関節インピンジメントは以下のようなことが原因となり起こります。

 

・使いすぎ:水泳や野球など肩を多く使うスポーツでは、使い過ぎによる影響で炎症や組織の硬化などが起こり、それがインピンジメントを起こす原因となります。

 

・肩峰下腔の狭窄:生まれつき狭い人もいますが、多くは関節炎などによる骨の変形によるものです。

 

 

・外傷:ローテーターカフや関節唇の損傷によっても起こります。

症状

 

 肩関節インピンジメントの症状は個々によって違いがありますが、時間をかけて徐々に悪化する傾向があります。症状で多いのは以下のようなものになります。

 

・動作時の肩の引っかかる痛み:腕を上にあげた時、ボールなどを投げる時、服を着る時に腕を後ろに回す時などに、肩にひっかるような痛みが出ます。

 

・可動域の減少:痛みや引っ掛かりにより肩関節の可動域が減少します。

 

・放散痛:腕を上に挙げるなどの動作をしたときに、肩から前腕にかけて広がる痛みを感じることがあります。

 

・間欠痛:動かした時だけ痛みが出て、休むと楽になるなど間欠的に痛みを感じます。

 

・夜間痛:特に患部を下にして寝ると強く痛みが出ます。

 

・肩に力が入らない感覚:肩関節が機能しづらくなるため、筋肉が働きづらくなり、筋肉の弱化が起こります。

 

 

・腫脹:炎症が強い場合、肩関節周辺が腫脹を起こすことがあります。

リスク要因

 

 肩関節インピンジメントは痛みや引っ掛かりを肩に感じることです。また、肩関節の可動性も減少します。ここではインピンジメントを起こしやすくなる原因を紹介します。

 

・使いすぎ:野球のピッチャーなど肩を多く使うスポーツでは、筋肉などの組織に炎症が起こりやすく、インピンジメントを起こしやすくなります。

 

・肩峰の形:生まれつき肩峰の角度が強かったりする場合、肩峰下腔が狭くなりやすく、インピンジメントを起こしやすくなります。

 

・烏口突起が大きい:烏口突起が生まれつき大きく突出している方は筋肉や靭帯などが挟まれやすくなる傾向があります。

 

・肩関節の不安定性:肩関節が不安定だと周りの筋肉や靭帯、関節が過度に緊張しやすくなり、インピンジメント起こしやすくなります。

 

・不良姿勢:猫背などの場合、肩関節が前方に巻き込むような形になり、その結果肩峰下腔が狭くなりがちです。

 

 

・年齢:加齢に伴い、滑液の減少や、骨棘の形成などの理由からインピンジメント起こしやすくなります。

評価方法

 

 肩関節インピンジメントの評価を行う上で重要なことは、カウンセリングと身体検査になります。また症状が強く出ているケースでは医療機関での画像診断が必要となります。

 

カウンセリング

 

 痛む箇所や症状の期間、肩の怪我の既往などできるだけ症状の特徴を掴むことが重要となります。

 

 

身体検査

 

 身体検査では肩関節の稼働制限や押圧時の痛みの有無、腫脹などがないのかも確認します。また、以下の整形学検査にて肩関節インピンジメントがないかを確認していきます。

 

・ホーキンス・ケネディーインピンジメントテスト

 1、リラックスした状態で座ってもらう

 2、施術者が患者の腕を90°まであげ、そこから水平屈曲させる

 3、その状態から肩関節を内旋方向に動かし、痛みが出ないかどうかを確認する。

 

 痛みの度合いが強く施術が難しいと判断した場合は、状況により医療機関での画像診断などを先に行ってもらい、他の症状の可能性がないかを確認してもらう場合もあります。

肩関節インピンジメントに対するカイロプラクティックケア

 

 カイロプラクティックケアで肩関節インピンジメント施術を行う際には、個々の状況を確認し施術の計画を作っていきます。インピンジメントの場合は初期では炎症を伴うこともあり、その場合はアイシングなど炎症を抑える物理療法に加え、肩関節に負担をかけないために、頚椎や胸椎に対する矯正(アジャストメント)などが中心となります。炎症がなく、可動制限などが強い場合は、肩関節周囲の筋肉に対する緩和操作や、関節のモビリティーを増やす施術を行っていきます。

 

 カイロプラクティックケアの強みは、患部の痛みだけに着目するのではなく、脊柱全体のバランスを整え自然治癒力を向上させることにあります。肩関節インピンジメントでお悩みの方は一度ご相談ください。

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コメント: 2
  • #1

    宇田香代子 (土曜日, 02 9月 2023 20:16)

    6日に初回の予約をしました。
    今年3月に、50センチほどの高さの台から地面に右肩から落下し、鍵盤断裂しました。
    今も真上真横んい上がらず、後ろにもあまり動かせません。
    エコーでは8月上旬には、あと1か所繋がっていないところがある、と言われた程度の回復状況です。
    予約はしましたが、完全につながるまで、通院しない方がいいですか?

  • #2

    がじゅまるカイロプラクティック (土曜日, 02 9月 2023 20:28)

    ご連絡ありがとうございます。
    腱板断裂に関してですが、リハビリも含めた治療はできるだけ早期に行うことが重要となります。
    もちろん現在の状態にもよりますが、徒手での検査などを行いながら、できるだけ改善できるようにお手伝いさせていただきます。ご安心してご来院ください。