脊柱管狭窄症の6つの兆候

脊柱管狭窄症の6つの兆候

 

 姿勢や行動によって腰痛や腕・足の痺れを感じる度合いが大きく変化する場合、脊柱管狭窄症の可能性が考えられます。脊柱管狭窄症は神経根の出口や、脊髄自体が何らかの原因で圧迫されることで起こり、脊柱のどの分節でも発生します。また、脊柱管狭窄症は60歳以上になると起こりやすく、歳を重ねるにつれて状態は悪化していく傾向があります。

 

 以下に紹介するのは脊柱管狭窄症が疑われる場合の6つの兆候となります。症状を感じている場所による違いや、当てはまることが2〜3個ある場合もあります。

間欠性跛行(神経性)

 

 腰痛の神経が圧迫されると、間欠性跛行と呼ばれる脊柱管狭窄症で特有の症状を感じるようになります。間欠性跛行の特徴としては以下のようなものがあります。

 

・立っていると足に痛みや痺れを感じる。

・歩いたり、腰を反らしたりすると、痛みや痺れが強くなる。

・立った状態での動きが困難になる。

・身体を休めると症状が和らいだり、感じなくなる。

 

 神経性の間欠性跛行は一般的に身体を屈める動作(自転車に乗るなど)をすると楽になります。神経性とは別に血管性の間欠性跛行も存在するため、前屈時に痛みが和らぐのかは、神経性と血管性を見分ける判断でも重要となります。

坐骨神経痛

 

 腰椎神経根の圧迫は坐骨神経を引き起こします。坐骨神経痛は痛みや関連する筋肉の弱化を引き起こし、多くは片側にだけ現れます。圧迫される場所によってお尻や太もも、ふくらはぎなど症状が出る場所が変わります。痛みの感じ方は鋭い痛みや、チクチクした痛みなどがよく言われ、関連した場所の神経症状と共に起こります。 『坐骨神経痛についてはコチラ

下垂足

 

 腰椎4番〜5番の神経根が圧迫されると、下肢の筋力弱化が起こり下垂足が起こります。下垂足になると足首の背屈動作が難しくなるため、足を引きずったり、つまずきやすくなったりします。

歩行障害

 

 脊柱狭窄症は神経が圧迫される場所によって、歩き方にも影響を及ぼします。

 

・腰部脊柱管狭窄症:下垂足に加え太ももやふくらはぎの筋肉が弱化するため、歩行障害が起こります。

 

・頸部脊柱管狭窄症:頚椎での神経根障害は歩行時のバランス力の欠如、とりわけ暗闇ではその傾向が強くなります。ただし、歩行そのものに問題は起こりません。

 

 歩行の変化は少しずつ進行するため気付くのが遅れることが多いです。しかし長期間この状態が続くと転倒などの症状などと共に歩行の変化が見られるようになってきます。『歩行障害についてはコチラ

上肢への放散痛

 

 頸部脊柱管狭窄症では焼けるような鋭い痛みを首や肩、腕に感じることがあります。また知覚の異常や筋力の弱化を腕に感じることもあります。

手先の細かい運動が難しくなる

 

 頸部脊柱管狭窄症では、神経への影響から手先を上手に動かせなくなるため、服のボタンをかけたりなどの日常生活に支障を感じるようになります。

レッドフラッグ(禁忌症状)

 

 稀に脊柱管狭窄症により排尿・排便障害や、太ももから生殖器にかけて強い痺れや感覚異常が出ることがあり、この場合は馬尾症候群の可能性が考えられるため、早急な医療機関への受診が必要となります。