三角筋について

三角筋とは?

 

 三角筋は肩にあり、球関節である肩関節の動きをサポートする役割と同時に、体幹部と肩を繋ぎ安定させる働きも行なっています。

 

 他の多くの筋肉と同様に三角筋は筋骨格筋の一つであるため、自分の意志で動かすことができる随意筋の一つです。ちなみに心臓や腸など自分の意志とは無関係に動く筋肉のことを不随意筋と呼びます。

三角筋の役割とは?

 

 三角筋はローテーターカフなどと共に肩関節の動きをサポートしており、役割は以下のようなものになります。

 

・肩関節の外転(腕を体側から外側に上げていく)

・ローテータカフなどの機能が落ちた時に、代わりに肩を安定させる

・肩関節の屈曲と伸展(腕を体側から前方・後方に上げていく)

三角筋の構造

 

 三角筋は以下の三つの部分から構成されています。

 

・前部繊維:三角筋の前部繊維は鎖骨と繋がっており、腕を前方に上げる役割があります。

・中部繊維:三角筋の中部繊維は腕を外側に上げていく役割があります。

・後部繊維:三角筋の後部繊維は腕を後方に上げる役割があります。

三角筋が関係する怪我

 

 三角筋が関係する症状は以下のようなものになります。

 

・肩関節周囲炎(四十肩・五十肩):肩関節周囲にある関節包が固まり肥厚することで起こり、痛みや筋肉の痙攣などを引き起こします。『四十肩・五十肩についてはコチラ

 

・腋下神経麻痺:腋下神経は三角筋を支配している神経ですが、外傷などにより腋下神経が圧迫されることで、三角筋周辺に痺れを引き起こします。『腋下神経についてはコチラ

 

・滑液包炎:三角筋と骨の間には、動きを滑らかにするために滑液包と呼ばれるゼリー上の袋があり、それが炎症を起こすことで三角筋周辺に痛みを引き起こします。

 

・ローテーターカフ損傷:肩関節を安定させるローテーターカフが損傷することで、三角筋に過剰な緊張が起こり痛みを引き起こします。『ローテーターカフ損傷について

 

・肩関節インピンジメント症候群:肩を安定させる筋肉や腱が骨と擦れることで痛みを引き起こします。『肩関節インピンジメント症候群について

どんな人に起こりやすいのか?

 

 三角筋の痛みや関連症状を起こしやすい人は以下のような人たちです。

 

・野球のピッチャー

・水泳選手

・テニス選手

・ウェイトリフティングを行なっている人

・40歳〜60歳ぐらいの人

・女性

・糖尿病や自己免疫疾患などがある人

症状

 

 三角筋に起こりやすい症状としては以下のようなものがあります。

 

・腕を上にあげたりすることができない

・炎症や腫脹

・関節の不安定性

・痺れやチクチクした痛み

・筋肉の弱化

・安静時にも痛みがある

予防方法

 

 三角筋を痛めないための予防方法としては以下のようなものがあります。

 

・スポーツのルールを守る。例えばピッチャーの球数制限など

・痛みがあるときは無理に肩を使わないようにする

・運動する前には準備運動を行うようにする

・正しいフォームでスポーツなどを行う