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梨状筋症候群

梨状筋症候群とは何か


 梨状筋症候群は臀部にある梨状筋と呼ばれる筋肉が、痙攣を起こし痛みを引き起こすことです。また梨状筋は下を通る坐骨神経に対しても影響を及ぼし、足の方へ感じる痛みや痺れの原因作ることもあります。梨状筋は臀部の奥に位置し大臀筋の下側に存在しており、筋肉の働きとしては股関節の外旋を行い、足先を外側に向ける時に作用します。

梨状筋症候群の要因

 

 梨状筋症候群が起こる正確な原因はまだ分かっていませんが、考えられている要因は以下のもになります。

 

・梨状筋もしくは仙腸関節が刺激による軽い炎症などで、筋肉がスパズム(痙攣)を起こすため。

 

・梨状筋のスパズム(痙攣)や損傷により筋肉自体が硬くなってしまため。

 

・梨状筋のスパズム(痙攣)や損傷により筋肉自体が炎症を起こし腫れるため。

 

 これらの要因がいくつか合わさることで梨状筋や坐骨神経に影響が出ると考えられています。

梨状筋症候群の症状

 

 梨状筋症候群に伴う坐骨神経痛を正確に評価するための簡単なテストは残念ながらありません。状態を正しく評価するためには症状の出方の確認や身体の動作確認などを行いながら、他の考えられる症状の原因を排除していくことで最終的に梨状筋症候群の可能性を疑っていきます。次のような症状が出ているときは梨状筋症候群の可能性を考えていきます。

 

・臀部に重だるい痛みがあり、押圧すると痛みが強くなる。

・痛みが太ももの裏側、ふくらはぎ、足底まで感じる。(坐骨神経痛)

・階段を登る時に痛みが強くなる。

・長時間座る、歩く、走ると痛みが強くなる。

・股関節の動きが悪くなる。

 

 特に長時間座っていると症状がひどくなり仰向けで横になると楽になるような場合、梨状筋症候群の可能性が高いと言われています。

 

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梨状筋症候群の評価

 

 梨状筋症候群の評価を行う場合考慮しなければいけないことは、現在感じている症状の確認、身体の動作確認、整形学検査などを行い総合的に評価していきます。特に梨状筋症候群の場合は断定するための検査法が少ないため、他の症状(腰椎椎間板ヘルニア仙腸関節機能障害など)の可能性を排除する過程で判明することが多いです。現在感じている症状の確認では、「どのような姿勢でいると辛くなるか」や「どのぐらい症状を感じているのか」「外傷後に痛みがで始めたのか」などを確認していきます。身体の動作確認では股関節や足の動きを確認し、もし腰部や足の方に痛みが強くなるか確認します。多くの場合股関節の動きを確認すると痛みの誘発されるため、それに加えて圧痛点の確認や筋力検査などを行い評価していきます。

梨状筋症候群のストレッチ

梨状筋のストレッチ

 

 梨状筋にストレッチを行う場合は、過度に行った場合痛みが悪化する可能性があるので慎重に行わなければいけません。ここで紹介するストレッチは仰向けで行うものになります。写真のように仰向けで両方の膝を90°曲げ、片方の足を反対側にかけます。かけた足とは反対の手で脛を持ち、お腹の方に近づけていきます。ポイントとして足を近づける方向は対側の肩に向かって行ってください。真上に上げてしまうと梨状筋より大臀筋が伸びやすくなってしまうのを防ぐためです。

ハムストリングスのストレッチ

 

 もう一つのストレッチはハムストリングスという太ももの裏側を伸ばすストレッチになります。ハムストリングスの柔軟性は特に坐骨神経痛に効果が見込めるので、梨状筋のストレッチと一緒に行うことをおすすめします。今回紹介するのは仰向けでタオルを使用したものです。写真のように仰向けで片方の足底部にタオルをかけます。もし、測定部にかけるのが辛いようでしたら、膝の裏側でも構いません。両手でタオルの両端を掴み体の方へゆっくりと引いていきます。ポイントとしてはタオルを引いたらそこで20~30秒ほどゆっくり呼吸しながら維持してください。

梨状筋症候群に対するカイロプラクティックケア

 

 カイロプラクティックケアは梨状筋症候群に対して良い効果を期待できる施術法の一つだと考えられるので、ここではカイロプラクティックケアでどのように施術を進めていくか紹介します。まず梨状筋症候群に対しては脊柱、骨盤と筋肉の関係性を見ていくと同時に、神経学・整形学検査を行い状態を把握していきます。

 

・仙腸関節機能障害は梨状筋症候群の大きな要因になり、それによって筋力の弱化や過緊張などが起こるため必ず状態を確認します。

 

・筋肉に対して触診を行い圧痛が出ないかを確認していきます。また梨状筋にトリガーポイントがあることも多く見られます。

 

・梨状筋に対する筋力検査を行いしっかりと働いているかや左右左がないかを確認します。ただし、梨状筋は大腿方形筋や内閉鎖筋などともに外旋運動を作るので、梨状筋だけを働かせるのは難しいです。

 

・もし神経症状などが出ている場合は、神経学や整形学検査を行い腰椎椎間板ヘルニアなどの可能性を除外した上で、ボネットテストなどを使い坐骨神経痛が梨状筋の影響で起きているのかを確認します。

 

 これらの検査を通して梨状筋症候群の可能性がある場合はカイロプラクティックの施術を行っていきます。主に脊柱と骨盤の動きを改善させることが重要となります。また、足のアーチの現象は回内足になりやすく、梨状筋に緊張を作りやすいので必要であれば足関節に対しても調整を行っていきます。また施術の最後には日常生活で気をつける姿勢のアドバイスなども伝え、再発予防を行うことも重要となります。

 

 臨床経験からお伝えすると、梨状筋の問題は良い変化が期待できることが多いです。もちろん施術回数は程度によって変わりますが、多くの方が日常生活に問題なく生活できるようになります。もし、これをお読みになって梨状筋の問題かなと思うようでしたら一度ご相談ください。